三浦市姉妹都市国際交流青年日本語補助教員活動報告(令和元年度~2年度)

更新日:2022年12月22日

平成31年4月から令和3年3月まで日本語補助教員としてご活躍された方から、活動報告をいただきましたので紹介します。

  • 令和2年5月の報告(新型コロナウイルスに対する現地の対応状況等)
  • 令和元年7月発行の三浦市国際交流協会会報誌に掲載した報告

令和2年5月の報告(新型コロナウイルスに対する現地の対応状況等)

こんにちは。オーストラリアは朝晩の気温が下がり、日も短くなって冬が近づいて来ました。三浦市のみなさんはいかがお過ごしでしょうか。

昨年12月に、2年ぶりに帰国し市長を表敬訪問させていただきました。その時にもお話しさせていただきましたが、2年前に三浦市で2ヶ月間ホームステイをしながら初声中学校に通ったジョー君とアンディー君は、最後の日本語の試験で見事な点数を取り、晴れやかに卒業しました。二人とも現在はメルボルンにある大学の学生としてさらに磨きをかけて頑張っています。私自身も、幸運なことに2年目のチャンスをいただいたので、去年以上に生徒をサポートできるようにと意気込んでオーストラリアに戻りました。

しかし、その後すぐにコロナウイルスに当たり前の生活が脅かされ、オーストラリアも世界各国同様、色々な対策がなされました。オーストラリアは1月から新年度が始まり、10週間で1つの学期が終わります。その後2週間のスクールホリデーを経て、また10週間学校に行くというサイクルです。しかし今年の1学期は、コロナの感染者数拡大のため生徒は9週間で終わることを余儀無くされました。教員は残りの1週間も通勤し、オンライン授業になる可能性の高い2学期に向けて、インターネッ上での出席の取り方、課題の出し方、授業の進め方などの講習を受けました。その後予定通り2週間のスクールホリデーに入りましたが、買い物・運動・通院以外の不要な外出はできず、また、日本とは違い罰金があるので街中には人がおらずとても閑散としていました。

2学期は予想通り、オンラインの授業になりました。エマニュエルカレッジは生徒、教員全員にラップトップが支給されていたため問題なく始めることができました。しかし、個人のパソコンを使っている学校や、インターネット環境のない生徒がいる学校もあるので教育の質の差が出てしまうことが残念です。さらに、教員から指示を受け自分で勉強することが求められるので、時間管理や課題の内容をしっかり把握することが弱い生徒にとって、このオンライン授業は大きな壁になってしまっていることも事実です。また、大学入学のための試験を控える高校3年生にとっても、試験の日程変更や内容変更の情報が出回っていたり、友人に会って励ましあったりすることができないこの状況はとても辛いものだと想像できます。

しかし、オーストラリア政府の素早く思い切った対策、大量の検査の実施により爆発的な拡大はなかったため、もうすぐ学校が再開します。高校2年生と3年生は5月26日(火曜日)から、高校1年生から中学1年生は6月9日(火曜日)から本格的に再開となります。これから冬になり例年インフルエンザが流行る時期なのでまだ油断はできませんが、また学校で生徒に会えることを嬉しく思っています。これからもしばらくの間は引き続き国境は閉鎖したままになるそうなので、いつ日本に帰れるかわかりませんが、この世界の危機的な状況の中、日本語補助教員として引き続き生徒をサポートしていきます。

三浦市のみなさんが健康で、1日も早く日常の生活を取り戻すことを願っています。

令和元年7月発行の三浦市国際交流協会会報誌に掲載した報告

日本と季節が反対のオーストラリアには、本格的な冬がやってきました。4月ではなく、1月から年度が始まるオーストラリアの学校では2学期が終わろうとしており、生徒は課題やテストに追われ、先生方はその採点に追われています。教員志望ということもあり、微力ながら私も採点などを担当させてもらっていますが、異国の教育現場を目の当たりにし、大変さよりも面白さで満たされている日々を送っています。

さて、私が滞在しているウォーナンブールですが、「ウォーナンブールの第二言語は日本語」と言われるほど日本語教育が充実しています。
オーストラリアの言語教育はLOTE(Languages Other Than English)教育と呼ばれています。世界言語の英語を母語とする人が多いオーストラリアでは、第二言語として選べる言語の幅がとても広いです。LOTEには17言語の選択肢があり、中でもアジアの言語(日本語、韓国語、中国語、インドネシア語)は重要度が高いと認識されている傾向があります。しかし、一つの学校でこの言語全てを教えることはもちろん難しいです。教師、保護者の意見、そして地域に必要な言語を考慮し最終的には校長の決定となります。ウォーナンブールで日本語教育が盛んな理由の一つとして、三浦市との姉妹都市関係があげられるでしょう。実際に、私が働いているエマニュエルカレッジの言語教育主任は、2008年まで三浦市で5年間英語教育に携わっていたミシェル先生なのです。

チェックのワンピースの制服を着た女子学生たちと、白いポロシャツや紺色のパーカーを着た男性学生たちとの集合写真

写真:12年生の生徒と

では、エマニュエルカレッジの言語教育について少しお話ししようと思います。エマニュエルカレッジは日本でいう中高一貫校で、中学1年生から高校3年生までの生徒が勉強しています。日本語とフランス語の言語教育が行われており、7年生は、お試し期間で日本語とフランス語に触れることができるようにカリキュラムが作られています。8年生になると、日本語かフランス語を選ぶことができ、9年生になると言語を勉強し続けるかやめるかの選択ができるようになります。つまり、9年生以降で日本語を勉強している生徒は自分の意思で勉強しているため、モチベーションが高いように感じます。エマニュエルカレッジにはミシェル先生を含め二人の日本語の先生がいるのですが、私は学年が高い方を優先に、全ての学年をサポートしています。学期末にあるスピーキングテストの練習、採点を任されているのですが、一生懸命日本語を話そうと頑張る生徒全員に満点をあげたくなってしまう気持ちと日々葛藤しています。そんな中でも、とくに力を入れているのは、12年生のスピーキングです。彼らは、大学に入るための大きい試験を10月に控えています。私は英語科の教員免許を持っていますが、母語を教えるのは英語を教えるよりはるかに難しいです。ですから、生徒が使っている教科書に1から目を通し、彼らが日本語を勉強してきた過程を分析することで、生徒が分かりやすいように説明することができるようになったと思います。また、自分が英語を学習していた時の経験や躓きが、生徒の役に立っていることも嬉しい限りです。

自分の経験が活かせ、教師人生のキャリアにもなる素敵な経験ができているのも、三浦市とウォーナンブールの姉妹都市関係のおかげです。このようなプログラムを少しでも多くの方に知っていただき、経験してもらうことで、今後の姉妹都市交流がより良いものになることを願っています。

沢山の力士たちの写真が壁に飾られている前での、二人の男子学生に挟まれた、ベージュのコートを着た日本人女性の写真

写真:昨年11月~今年1月まで三浦に留学で来ていたアンドリュー君(右)とジョセフ君(左)

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