赤坂遺跡の概要

更新日:2023年03月10日

遺跡の概要

赤坂遺跡は、約70,000平方メートルの範囲に広がっている三浦半島の拠点ともいえる南関東屈指の大形集落であり、県内における弥生時代中期後半から後期に継続して営まれていた数少ない集落であることから重要であるといえます。さらに、長軸15.0m×短軸12.2mの巨大住居址が検出されたことなどから、三浦半島南部における「拠点的」性格をもった集落址であることが判明しています。
また、発掘調査によって発見されている遺構・遺物は、三浦半島の遺跡の中でも群を抜いています。竪穴住居址はすでに130軒以上を数え、中でも長軸10mを超える住居址が4軒検出されています。他にも、住居址の中に貝塚を伴う竪穴住居址も発見されており、深鉢形土器と壺形土器に伴い鹿角製の簪(かんざし)やベンケイガイ製の貝輪などが出土しています。
遺物は、土器をはじめとして銅釧や銅環・銅鏃などの青銅製品、ガラス玉といった装身具類、板状鉄斧や太型蛤刃石斧といった伐採具等、鉄製釣針といった漁撈具等、炭化米をはじめとしたクルミ・モモといった植物類、シカやイノシシなどの獣類、サザエ、バテイラ、アワビなどの貝類、そして他地域からもたらされた遺物の出土など豊富な遺物が出土しています。出土遺物から見ても、周囲を海に囲まれている三浦半島の先端部という集落の立地状況から海上を利用した遠隔地との交流や漁撈活動を伺わせる遺跡であり、弥生時代の社会を解明する上においても学術的価値が高いといえます。
さらに、遺跡の大半が畑地であり、遺構の保存状態が良好であると思われ、周辺地形も比較的良く残されていることから集落の立地環境を考える上でも貴重な遺跡です。
特に国史跡に指定された範囲は、標高が約50mで、遺跡中もっとも標高が高く、眺望が相模湾・東京湾の両岸にきく、相模湾からの入江の迫る地区にあたります。昭和41(1966)年以来の調査で、本遺跡の核となり得る高い遺構の密集地域であることが確認されている重要な場所に当たります。(参考文献:『三浦市埋蔵文化財調査報告書第2集』・1992年3月)

赤坂遺跡の巨大住居跡
赤坂遺跡で発見された遺構

国指定史跡について

平成23(2011)年3月8日付けで、三浦市に所在する弥生時代中期から後期にかけての集落遺跡「赤坂遺跡」が国の史跡に指定されました。
指定を受けた範囲は4,708.86平方メートルで、遺跡のほぼ中央部に位置し、国道134号線の西側、市道17号線の南側にあたります。
昭和23・24(1948・1949)年には川上久夫氏等によって、調査が行われ、「鉄斧」が発見されたところであり、昭和41(1966)年には立教大学による学術調査により僅かな範囲から住居址15軒が重複して確認されるなど遺跡の中心部として評価されているところです。
神奈川県で弥生集落として国の史跡指定を受けているのは、横浜市の三殿台遺跡と大塚・歳勝土遺跡、綾瀬市の神崎遺跡があります。
三浦半島における弥生集落遺跡としては、横須賀市の佐原泉遺跡や上ノ台遺跡、高原遺跡、逗子市の持田遺跡や地蔵山遺跡が知られていました(下図参照)。これらの遺跡は開発計画が持ち上がったことによる事前の発掘調査により、その地域における核となる遺跡であることが明らかにされましたが、その後の開発によりこれらの遺跡は消滅をしてしまいました。このような現状の中で赤坂遺跡が同時期の集落遺跡として、周辺の地形を含め現存していることは大変貴重であり意義深いものであります。

史跡の指定概要 

  •  赤坂遺跡(あかさかいせき)
  •  三浦市初声町三戸字ハタ232番ほか
  •  4,708.86平方メートル

 赤坂遺跡は、東に東京湾、西に相模湾を臨む三浦半島の先端近くの中央部の台地上に位置する弥生時代中期から後期にかけての集落跡です。本遺跡は、約70,000平方メートルの範囲に広がっている三浦半島の拠点ともいえる南関東屈指の大形集落であり、県内における弥生時代中期後半から後期に継続して営まれていた数少ない集落であることから重要で、また、出土した様々な遺物や、周囲を海に囲まれている三浦半島の先端部という集落の立地状況から海上を利用した遠隔地との交流や漁撈活動を伺わせる遺跡であり、弥生時代の社会を解明する上においても学術的価値が高いといえま
す。

遺跡の位置

赤坂遺跡は、神奈川県三浦市初声町三戸に位置し、東に東京湾、西に相模湾を臨む三浦半島の先端近くの中央部の台地上に位置する弥生時代中期から後期にかけての集落跡です。
京浜急行「三崎口」駅前面を走る国道134号線沿いに南に約300mほど進むと、国道に「三戸入口」という交差点があり、国道と直行して「御用邸道路」と呼ばれる三戸海岸へのアクセス道路があります。この道路の南北に広がる畑地等一帯約70,000平方メートルが遺跡の範囲と考えられています。(参考文献:『三浦市埋蔵文化財調査報告書第2集』・1992年3月)

遺跡へのアクセス

所在地

神奈川県三浦市初声町三戸字ハタ232番ほか

電車でお越しの方:京浜急行「三崎口」駅下車 徒歩約5分。

お車でお越しの方:横浜横須賀道路衣笠ICより三浦縦貫道高円坊ICを経て、三浦縦貫高円坊入口を右折。国道134号(初声小学校入口)を左折。三戸入口付近。高円坊ICから約10分。

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この記事に関するお問い合わせ先

三浦市役所 市民部 文化スポーツ課(文化担当)
電話番号:046-882-1111(内線411・412・427)
ファックス番号:046-882-1160

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