市場見学者向けパンフレット
みさき魚市場の歴史
三崎の漁港は、地形が良い港に適していて、早くから沖合・沿岸漁業の拠点として発達しました。漁船の近代化、大型化が進むと、昭和初期よりまぐろ類の水揚げで全国有数の遠洋漁業基地として知られるようになりました。
初めて三崎魚市場ができたのは、大正11年、当時の三崎町海南(現在の三崎公園付近)に開設されました。このころはまだ生のままのマグロの取引でした。関東大震災の被害を受けたことにより、昭和4年に現在の本港埠頭に市場施設を建設、機能を移転しました。このころより、より公正な入札方式による取引を始めました。昭和30年代に入ると、冷蔵庫を持った冷凍船ができてマグロを捕る漁場が遠洋へと伸びていったのです。これらの漁船や漁法の近代化と水揚高の増加に対応するために、昭和43年3月、それまでの市場を全面改築して規模・機能を一新した本港魚市場が完成しました。(建物の老朽化により平成12年に取り壊されました。)また、冷凍のまま運ばれ冷凍のまま出荷する「コールドチェーン化」に対応するため、三崎新港には昭和52年より超低温冷蔵庫・前処理工場等の建設が行われ新しい流通に対応した市場を形成してきました。
さらに、新時代の流通や、より良い鮮度を確保するため、平成4年からは、魚市場製氷工場、超低温魚市場冷蔵庫の建設を行いました。さらに、平成6年には新港魚市場が完成し、現在市場業務はこちらで行われています。市場運営は、三浦市が行う「公設市場」です。正式名称は「三浦市三崎水産物地方卸売市場」といいます。1日に取扱われるマグロは、400本から1,000本となっており首都圏を中心として毎日出荷されています。
魚市場の施設
主な4つの施設でおいしさを守ります。
魚市場
- 開設年月日 大正11年8月17日
- 開設者 三浦市
- 市場施設敷地面積 11,673平方メートル
- 市場の長さ 144メートル
- 市場の高さ 31メートル
- 新港魚市場建設費 32億1千万円
低温卸売市場
- 初取引日 平成30年4月24日
- 敷地面積 3,184平方メートル
- 建設費 19億6千万円
製氷工場
- 製氷能力 1日あたり10トン
- 建設費 5億9千万円
- 貯氷能力 200トン
超低温魚市場冷蔵庫
- 冷蔵室収容能力 約5,400トン
- 冷蔵温度 -40℃~-60℃
- 建設費 13億2千万
やくしんする漁業
漁師さんは世界の海でがんばっています。
- 遠洋漁業
遠洋漁業の代表選手は、マグロ類を捕獲する延縄(はえなわ)漁業です。その範囲は太平洋・インド洋・大西洋などの世界の海で活躍しています。三崎漁港を基地とするマグロ船は-60℃の冷蔵庫・レーダー・衛星航法などの最新の設備を備え、一航海12ヶ月から18ヶ月にも及ぶ長い航海が続きます。漁船員の方々の大変な苦労の末届けられたマグロは、高級冷凍まぐろとして水揚され全国に出荷されており、おいしいまぐろとして食卓にならびます。 - 沖合漁業
沖合漁業はまき網・いか釣・タモすくい網・棒受網漁業がおもなものです。まき網漁業では4月から7月までの太平洋側で操業を行い、あぶらののった旬の味覚を食卓へお届けします。とくに、さばやさんまなどは、体に大変よいと近年注目されています。 - 沿岸漁業
沿岸漁業は、一本釣り・定置網などがおもなもので、伊豆七島・房総・三浦半島周辺では1年を通じて、きんめだい・さば・むつ・いかなどの一本釣りがさかんです。定置網では、いわしやあじが多く水揚されます。また、作り育てる漁業として、のり・ワカメ・ヒラメなどの養殖とアワビ・サザエなどの稚貝の放流が行われ成果をあげています。
みなさん、魚をたくさん食べましょう!魚は肉に比べて、脂肪が少ないのでカロリーも少なくダイエットに有効といわれています。また、コレステロールを下げる働きも強いので成人病予防にも役立っています。三崎の市場から出荷されたおさかなをおいしくいただいてください。
世界の漁場
おいしいマグロを追って
三崎のマグロってどこで取れたのかな?
いろいろなマグロを知っていますか?
クロマグロ
大西洋、地中海、日本近海で捕れ、特に日本近海のものは、昔から親しまれてきた。また、本まぐろとも呼ばれ一番高級品とされている。
ミナミマグロ
オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ(ケープタウン)沖の低水温の海域で捕れる。脂が乗っていることから高級まぐろとしてすし屋、料亭でよく使われている。また、インドマグロとも呼ばれている。
メバチマグロ
赤道をはさんで南北の緯度約35度にわたる広い範囲で捕れる。漁獲量の一番多いまぐろで目がパッチリしていることから目鉢(メバチ)マグロと呼ばれている。
キハダマグロ
メバチマグロとほぼ同じ漁場で取れる。体型がスマートなのが特徴で、赤身のあっさりした味わいが楽しめる。肌が黄色いことから黄肌まぐろと呼ばれている。
ビンナガマグロ
世界中の湾に広く分布し、大回遊する小型のマグロ。長い刀状の胸びれが特徴でツナ缶の原料になる。また、トンボマグロとも呼ばれている。
マグロのお刺身解体図
マグロのお刺身もいろいろありますよね。大トロ、中トロ、赤身など。どの部分でしょうか?わかりますか。
解体図解説
- A:背カミ 中トロから赤身
- B:腹カミ 中トロから大トロ
- C:背ナカ 主に赤身、部分的にトロ
- D:腹ナカ 中トロからトロ
- E:背シモ 主に赤身
- F:腹シモ トロから赤身
- G:尾の身 主に加工、トロマンにも使用
- H:ハチノミ 頭身とも言う、お刺身で
- I:目玉 DHAの宝庫、煮たり焼いたり
- J:ホッペ ステーキでおいしい
- K:カマ バーベキューで楽しく
こうしてとる
努力と研究の末いろいろな漁法で魚と戦っています。
マグロはえなわ
太い幹縄に多数の枝縄をつけ、この先の釣り針に餌をつけて海に投入、数時間後にかかったマグロ・カジキを引き上げる漁法で縄の長さは150キロメートルにも及びます。
一本釣り
1隻の船に多くの船員が乗り、生きたイワシをまいてカツオやビンナガマグロを船にひきつけ、疑似餌(エサに似せたしかけ)で釣る漁法です。現在では、自動式釣り機も開発・多用されています。
まき網
1隻又は2隻の船で網を出し、魚群を取り囲んで、一度に大量の魚をとる漁法。イワシ、アジ、サバ漁が主体ですが、カツオ、マグロ漁にも使われます。
タモすくい網
夜間、集魚灯やまき餌によって、魚を船の近くの海域に集め大きなタモ(網)ですくい上げる漁法です。巨大な金魚すくいのようです。主に伊豆七島近海などのさば漁が対象になります。
いか釣り
たくさんの疑似餌をつけた釣糸を船から垂直に下ろし、それを上下に揺らしていかを釣る漁法。夜間には、船に集魚灯をともして使用する。
定置網
産卵のためや、餌を求めて回遊する魚の通り道に、岸から沖に向けて垣根上の網を張り巡らせて置き、魚のむれをこの網の中に導き入れてとる漁法です。
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この記事に関するお問い合わせ先
三浦市役所 経済部 海業水産課(市場管理事務所)
電話番号:046-882-1111(内線77334・77335)
ファックス番号:046-881-6667
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更新日:2022年12月22日