諸磯の隆起海岸

この崖の表面にみられる小穴の列は、穿孔貝の巣穴の跡で、堆積時期を異にするシルト(砂泥)岩質の地質の側面に、小規模のものを含めて六列ぐらい数えられます。
巣穴の多くは風化され、形はさまざまではありますが、一般に下部の列のものほどよく保存されています。
穿孔貝(ほとんどがイシマテガイで、別名この貝を「ヒミズガイ」ともいう。三崎ではこれを「シミズガイ」と呼んでいる。)は、波打ち際で岩をほり、巣穴をつくってその中で生活をします。したがって、古い巣穴の跡があれば、これから過去の汀線(波打ち際のこと。)の位置や高度を知ることができ、また、これによって、歴史上の大地震の間隔や隆起量など推定することができます。
この崖の巣穴の跡は、この種の推定を試みるにあたって、その出発点となったもので、それぞれの列はいずれも、ある時代に汀線だったことを示しています。そして、列の数や巣穴の保存状態から、この場所が、過去何回かにわたって隆起したことを物語っており、歴史上の大地震を知る上で貴重な資料といえます。
昭和3年3月24日に国指定天然記念物に指定されました。
写真右下に多数の小穴が見られます。
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更新日:2026年08月25日